現物取引と信用取引

まず現物取引ですが、これは普通に株を買って、それを売ることで取引がひとつ完了します。そうなると株式をできるだけ安い時に買って、それが値上がりした時点で売るようにするわけです。こうして利益が得られる仕組みです。

 

信用取引はこの逆になります。こちらでは株が手元になくても売ることができます。そしてそれを買い戻すことで取引がひとつ終了します。つまり、できるだけ高く売って、安くなったら買い戻せばいいのです。こうしてその差額が利益になります。

 

ではなぜ信用取引が株式市場で必要とされるのでしょうか?それは、市場への参加者がこの制度を利用すれば、より多くの株の売買ができるからで、需給が増え、市場での公正な株価形成が促進されると予想されるからです。

 

買いから始める現物取引では手持ちの資金、保有株の範囲だけでの取引となりますから、需給の偏りで流動性が不足します。ほんのわずかな売買でも株価が大きく動く危険性も出てきます。このようにある特定の小人数の思惑で株価が形成されないようになっているのです。

 

多くの投資家の価値観が反映され、適正な価格を形成しやすくするために信用取引が必要だということです。

 

ただし、信用取引はお金や株式を借りることになります。一般的に何かを借りたら、決められた期日までに返さなければなりません。信用取引でのこの決済期限も「期日」と呼びます。

 

決済は、「買い」から入った時には「売り」、「売り」から入った時には「買い」によってなされます。制度信用取引なら、投資期間が6か月以内、一日信用取引なら、新規建を行った日の翌営業日となります。基本的に無期限信用取引の場合は原則として期限はありません。