信用売りの流れ


手元に株がないのに株を売ることができる信用売りの仕組みを説明しましょう。まずは証券会社から株を借ります。投資家は証券会社に保証金を委託して担保にします。そして証券会社から株券を借りるのです。

 

株式取引というのは売り手と買い手が株券と代金を交換して売買成立します。これは信用取引でもいっしょで、そこで信用取引の売方では、買方に渡す株券を証券会社から借りることになるのです。

 

次はその借りた株を売ります。これを「信用新規売り」と言います。この注文が約定したら、買方から支払われる代金を証券会社が預かります。ただし、まだ売方は現金を受け取れません。

 

次は 売った株を買い戻すことです。証券会社に返すわけで「決済」と言います。予想が的中して株価が値下がりしたら、その株券を株式市場で調達し、それを証券会社に返すのです。その時に買方が支払っていた代金を受け取ります。

 

この決済には「返済買い」と「現渡」があり、投資家はどちらでも自由に選べます。

 

「返済買い」とは、売った株券を買い戻し、それを証券会社に返す方法です。実際には売りと買いの差額を証券会社との間で受け渡しします。

 

「現渡」とは、信用売りをしている銘柄の同数現物株を証券会社に渡して決済する方方です。投資家は証券会社から信用売りをした時の約定代金を受け取ります。受渡金額は「売り建値×現渡株数-諸経費(-譲渡益税)」となります。

 

現物株式を長期保有する予定だったとしても、短期的には株価が下落しそうだという時もあります。そんな場合には、そこで1回売建しておいた方が利益を得られる可能性があります。このように現物株式を保有したままで売建するのは「つなぎ売り」という方法ですが、これらは後ほど説明します。買い返済で決済して、損失が発生した場合だと、現金で損失分を支払うことになります。